Blueboxの視覚障がい者対応IFE(aIFE™)ソリューション:目の不自由な飛行機搭乗者向けに、航空会社と共同で初のポータブルIFEプラットフォームを開発
Bluebox Aviation Systems Ltd.が障がい者対応IFE(aIFE™)プラットフォームを発表しました。北米、カリブ海沿岸諸国、アフリカ、中国、インド、中東行きの国際便に搭乗する視覚障がい者を対象にエンターテインメントを提供するこのプラットフォームはヴァージン・アトランティック航空機に搭載され、2017年12月1日に初飛行が行われる予定です。 これにより、ヴァージン・アトランティック航空は機内全体で目の不自由な搭乗者向けにIFEを提供する世界初の航空会社となりました。
航空会社のニーズとユーザーのニーズを確実に満たすことができるように、Blueboxは年来の顧客であるヴァージン・アトランティック航空とGuide Dogs(盲導犬協会/Guide Dogs for the Blind Association)の担当者と緊密に協力しながらこのプラットフォームの開発に取り組んできました。
ヴァージン・アトランティック航空の顧客担当執行役員副社長、マーク・アンダーソン
(Mark Anderson)は、「30年近く前のことになりますが、ヴァージン・アトランティック航空は全キャビンでシートバックエンターテインメントを提供した初の航空会社となりました。よって、当社が全フライトで完全な視覚障がい者対応エンターテインメントを提供する第一人者となるのは必然的な流れだったのです。 BlueboxとGuide Dogsと協力することで、世界を先取りして、目の不自由な搭乗者に最新の大ヒット作やテレビ番組、そしてアルバムなどの機内エンターテイメントすべてを体験していただけるようになりました」と語っています。
また、Bluebox Aviation Systems Ltd.のCTOであり、APEX(Airline Passenger Experience Association)のACCESSWG(IFE Accessibility Working Group)に貢献するジェームス・マクレー (James Macrae)は、「Bluebox Ai IFEプラットフォームの最も重要な要素をシンプルな設計にして、バックグラウンド機能を追加してこれを強化することで、目の不自由な搭乗者の方々も簡単に矛盾なくナビゲートできるように仕上げました。例えば、従来型のスクリーンリーダー機能を使用して画面上のテキストを読み上げるのではなく、映画のタイトルを1回タップすると、映画の概要などの情報が読み上げられるようになっています。これらをバックグラウンドに置くことで、インターフェイスをすっきりと整理して簡単にナビゲートできるようにしつつ、搭乗者が自身で所望の項目を選択できるような情報を提供する仕組みになっています」と述べています。
慈善団体「Guide Dogs」の移動&輸送のポリシービジネスパートナー、ジョン・ウェルスマン
(John Welsman)は、「ボイスオーバーと音声描写機能を備える機内エンターテイメントシステムといったシンプルな装置があるだけで、目の不自由な搭乗者の方々も他の乗客と同じようにフライトを楽しめるということを当社は十分に認識しています。ヴァージン・アトランティック航空を利用することで、私のように頻繁に飛行機に乗る機会のある視覚障がい者の方々がいちいち補助を求めることなく、エンターテイメントを楽しみ、情報にアクセスできるようになるということは素晴らしいことだと思います。これで、客室乗務員を呼び出す必要も、眠っている他の搭乗者に遠慮する必要もなくなるのです」とコメントしています。
ヴァージン・アトランティック航空と慈善団体との協力関係を通して、Blueboxは軽度から重度まで等級の異なる視覚障がい者が集まるグループと協働することができました。複数の開発プロセス段階において、このグループがヴァージン・アトランティック航空とBlueboxと緊密に連携し、意見やフィードバックを提供してきました。
開発の最後に、一人のユーザーはこのプロジェクトで最も好ましいと感じた点について次のように語っています。「一つ目は私たちにフィードバックを求めてくれたこと、そして二つ目は私たちの提案に基づいて装置を更新してくれたことです。私たちの意見に真に耳を傾けてくれました」
Bluebox Aviation Systems Ltd.のマーケティング責任者、キャサリン・ブラウン(Catherine Brown)は、「ユーザーグループが開発プロセスに熱心に関与してくれたことで、初期段階からこのプロジェクトは機能的な設計要素の域をはるかに超えるものになることが分かっていましたが、これにより搭乗者の全体的な搭乗体験に大きな影響を与えることができると思いました。このプラットフォームを通して、エンターテインメントだけでなく、自立性や管理能力を提供できるのです」と述べています。さらに「適切な意見を収集することは、優れた製品を設計する上で不可欠です。しかし、当社は視覚障がい者対応IFEにおける無形の利益をより高めようとしたのです。これにより、Blueboxにとってこのプロジェクトが非常に満足の行くものになったと感じています」と続けています。
Bluebox aIFEにより、航空会社はシートバックや他のIFEシステムを更新するよりも、より高度かつ根本的に低コストなソリューションを得ることができます。しかも、異なるIFEシステムが混在している機体全体に適用することができるため、障がい者対応IFEの提供に関する今後の法律制定において初期目標以上の成果を迅速に達成することが可能となります。ボイスオーバーやズームなど、このプラットフォームはよく知られたApple iOSプラットフォームの高度なアクセシビリティ機能をベースにして設計されており、完全にカスタマイズ可能なiPadベースのユーザーインターフェイスを備えているだけでなく、以下のようにIFEの独自の要件を満たすために機能が強化されています。
- 異なる等級の視覚障がい者が容易に検索かつナビゲートできるコントロールとメニュー
- 複数の言語、クローズドキャプション、音声描写コンテンツのサポート
- ハリウッド映画業界が承認したオリジナルのBluebox Aiプラットフォームのセキュリティすべてを備え、ユーザーにアーリーウィンドウコンテンツ(早期に公開される映画など)を提供
ヴァージン・アトランティック航空について(www.virginatlantic.com)
33年前に起業家のサー・リチャード・ブランソン(Sir Richard Branson)により設立されたヴァージン・アトランティック航空は、革新と顧客サービスを核とする航空会社です。現在、年間旅客数は550万人に達しており、最近ではスカイトラックスにより人気ある英国の長距離航空会社に選出されています。
ロンドンに本拠地を置き、世界中で9,000人以上の従業員を擁するヴァージン・アトランティック航空は、39機の航空機で4大陸にわたる26都市に就航しています。 200ヵ所以上の米国と国際都市への乗り継ぎを含め、英米間で1日当たり最大39便を運航する同航空会社は、デルタ航空との共同事業を通して主要大西洋横断ネットワークを網羅しています。
本年、Wi-Fi接続可能な欧州初の航空会社となり、2019年には初のAirbus A350-10機が導入される予定です。これにより、最も騒音が少なく、最も燃費の高い航空機が誕生することになります。
Guide Dogsについて(www.guidedogs.org.uk)
1934年に設立されたGuide Dogs for the Blind Association(盲導犬協会/通称:Guide Dogs)は、英国バークシャーに本拠を置き、盲導犬や移動手段、また他のリハビリサービスを提供することで、英国全体の視覚障がい者を支援する英国の慈善団体です。Guide Dogsは、目の不自由な個人すべてが、自信を持って自立し、周囲から支援されていると感じられるような環境で各自が望む人生を送れるようにサポートすることを目的としています。詳細については、guidedogs.org.ukをご覧ください。
Bluebox aIFEユーザーインターフェース – コンテンツ選択
画像:Bluebox Aviation Systems
目の不自由な搭乗者向けのBluebox aIFE – ヴァージン・アトランティック航空全機で採用
画像:ヴァージン・アトランティック航空 – マット・アレクサンダー(Matt Alexander)/PA Wire
目の不自由な搭乗者向けのBluebox aIFE – ヴァージン・アトランティック航空全機で採用
画像:ヴァージン・アトランティック航空 – マット・アレクサンダー(Matt Alexander)/PA Wire